
【別名】
丁子(チョウジ)、クローブ、(英名:Clove、学名:Syzygium aromaticum)
【概要】
フトモモ科チョウジ属熱帯多雨原産の中高木の常緑樹。種子から発芽し20年ほどで10メートルほどの高さに成長する。7-8年目頃から収穫が可能である。収穫は年2回(春・秋)で熱帯の最も暑い時期に花蕾を摘み取る。チョウジ(丁字)という名前の由来は蕾の形が釘に似ているためであり、英語のクローブも仏語のクルー(釘)に由来している。チョウジは香料として紀元前よりインドやヨーロッパにまで知られ、香辛料としては肉料理やケーキ・プディングなどによく使われるが、他の香辛料とブレンドしてカレーなどに使用することが多い。
生薬としては温裏・健胃・止嘔・補陽の効能があり、おもに芳香性健胃薬として用いる。インドネシアやインドでは丁子油で香りを付けたタバコもある。
インドネシア(モルッカ群島)が原産。
【薬性】
温
※「薬性」の説明
【薬味】
辛
※「薬味」の説明
【帰経】
脾・胃・腎・肺
※「帰経」の説明
【薬効】
健胃作用、整腸作用、駆風作用。
※「薬効」の説明
【薬膳としての働き】
1.温中降逆(おんちゅうこうぎゃく):脾胃を温め、上逆してくる嘔吐、吐き気、げっぷ、食欲不振、腹部の疼痛をとる。
2.温腎助陽(おんじんじょよう):腎を温めて、寒邪を取り除き、インポテンツ、生理痛などの症状を改善する。
3.散血止痛(さんけつしつう):散鬱、消腫、止痛の作用があり、冷えからくる胃痛・腹痛をとる。
※「薬膳としての働き」の説明